シーリング業界を担うマサルの技術力③
前章に引き続き、この時期にマサルが行っていた試験や研究開発を紹介してゆきたい。
新しい材料や部材が開発され上市された段階で、マサルではカタログに書かれている性能を確認する手段として、本社屋上での曝露試験を行ってきた。
――あくなき品質追求
従来この曝露試験は材料の耐候性、接着性等、耐久性を調査するのが主体であったが、シリコーン系シーリング材の目地周辺汚染現象が現場で発生して以来、汚染性の再現、確認、防止等の調査を主体とすることになった。曝露試験は石材、タイル、結晶化ガラス、塗装板等で実際の目地をつくり、シリコーン系、ポリサルファイド系、変成シリコーン系等各種シーリング材の比較で行われた。その結果、3カ月で明らかな汚染現象が発生した。
次にこれら汚染の除去および防止の試験が追加され、昭和50年代はこの汚染関係の試験に振り回された。材料メーカーやゼネコン等も諸々の試験を行っていたが、マサルは工事業者として率先して実施した。

曝露試験場①

大曝露試験場②
大規模工事を成功させるために事前に念には念をいれたテストを行い、部材・プライマー・シーリング材三者の適合性を現場で十分に確認してから本工事に取り掛かる必要があった。もし工事半ばでトラブルが起きれば工期が遅れ、経済的に大きな損害があるばかりか信用問題にもつながってしまう。
そのため現場施工品質管理の一環としてこの簡易接着性試験(ピールテスト)を行う。現場に取り付けられた現物パネル等の各種外装材に対して、後で影響のない部位を利用して事前確認試験を行った。これもマサルが率先して行った。

ピールテスト
三井物産本社ビル(東京都千代田区)の低層階における落とし目地(下げ目地)のシーリング工事では専用の治具を考案し、合理的な工法で美しく仕上げることができた。
目地幅に合わせて凸状のならし治具を作り、この凸部を落とし目地にはめ込み、カンナをかける要領でならし作業を行った。これによって芸術的ともいえる仕上がりが得られ、他の現場の人たち全員に工事の手本として見学させたほどであった。
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落とし目地用治具

仕上げ用ヘラ
ガラスをアルミ部材にシーリング材で接着し外部から見た限りフレームレス(枠なし)に見せる工事で、シーリング材に防水機能のみならず接着機能をも兼ね備える「ストラクチャルグレージング工法」を、(株)日鐵カーテンウォールと共同で実験を繰り返し、安全性を実証したうえで、1987(昭和62)年竣工の大同生命仙台支店(宮城県仙台市)の工事から採用した。

ストラクチャルグレージング工法

大同生命仙台支店