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再建への道 C 7-8

内部統制システム始動

2003年~2020年⑧

2000年代半ば、日本の経済界では、企業の不祥事が相次いで発覚した。
各業界で有価証券報告書の虚偽記載や粉飾決算が明らかになり、2005(平成17)年には建設・不動産業界でも耐震強度偽装が発覚、建築にかかわる仕組みそのものへの社会の信頼が揺らいだ。

――「安心企業」を目指して

耐震偽装事件

2005年11月17日、国土交通省が姉歯建築設計事務所の構造計算書(建築構造物などの構造計算の概要、仮定条件、計算式、試算結果などをまとめた書類)の偽装を公表。調査の結果、計21棟に耐震偽装が行われていた。建設・不動産業界を震撼させただけでなく、社会全体に大きな衝撃を与えた。

こうした流れのなか、2006(平成18)年に会社法が施行され、大会社は「内部統制システム」(不正や誤りを防ぐための社内の仕組み)を整えるための基本方針を定めることが義務付けられた。さらに、2008年度からは金融商品取引法による内部統制制度(上場企業が財務報告の正確性を確保することを目的とする)の運用が控えていた。この当時の上場企業にとって、内部統制への対応が、経営上の重要な課題となったのである。

2004(平成16)年のジャスダック証券取引所開設に伴い、マサルは上場企業となっていた。2026(令和8)年現在は、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。

マサルは、この課題への対応を、単なる法対応で終わらせなかった。まず、内部統制の考え方を社内に浸透させるために掲げたのが、「安心企業を目指す」というわかりやすい言葉だった。わかりやすい言葉にしたことには、理由がある。建設業では建設業法や労働安全衛生法、下請取引に関する法令など、さまざまなルールの遵守が求められる。社員一人ひとりがコンプライアンスや安全、情報管理について正しい知識を持つこと。それが、会社を守るために欠かせなかった。

マサルにとっての内部統制は、一部の経営陣や管理部門だけが整えても機能しない。営業、施工管理、事務、そして現場に関わる全員が必要性を理解し、日々の仕事で実践して初めて意味を持つ。多数の工事が異なる条件のもとで進み、現場ごとに個別の対応が求められる。それだけに、業務が個人の経験や判断だけに依存しない仕組みが必要だった。

そこでマサルが目指したのは、実際の業務のなかで機能する内部統制である。

見積、契約、発注、支払いなどの業務についても、誰が確認し、誰が承認し、どこで責任を持つのかを明確にする。特定の個人の判断に頼るのではなく、組織として確認する仕組みを設けることで、ミスや不正が起こる可能性を減らす。

その根底にあったのは、「監視」よりも「予防」という考え方だった。問題が起きてから責任を追及するのではなく、そもそも問題が起きにくい仕組みをつくる。起きたとしても、できるだけ早く発見し、大きな問題になる前に対処する。その意味では内部統制もまた、「社内版のPDCAサイクル」に通じるものがあった。

さらに、問題や異変を報告しやすい組織であることも重要だった。ミスを隠さない。問題を先送りしない。現場で気づいた小さな異変を共有する。内部統制とは社員を縛るためのものではなく、問題を早期に把握し、会社全体で解決していくための仕組みでもある。そうした積み重ねが、大きな事故や不祥事を防ぎ、会社への信頼につながっていく。上

場企業であるマサルには、顧客や取引先だけでなく、株主、金融機関、社員、協力会社など、多くの関係者に対する責任があった。

「安心企業を目指す」――。その言葉には、法令を守るというだけではなく、仕事の品質を守り、社員や協力会社を守り、顧客や社会から信頼され続ける企業でありたいという、マサルの意思が込められていた。

【防水工事】名駅四丁目7番地再開発ビル、目白一丁目、カテリーナ三田タワーイースト

【シーリング工事】芝浦アイランドA1街区・A2街区・南地区、国立新美術館、虎ノ門オフィスレジデンス&オフィス、神田美土代町ビル

【リニューアル工事】ニチレイ東銀座、日立シビックセンター、両国国技館、NTTコム千葉港ビル、中央合同庁舎第7号館

芝浦アイランド地区

・A1街区 地上48階、高さ170m。

・A2街区 地上49階、高さ169m。

・南地区 地上48階、高さ160m。

中央合同庁舎7号館

・躯体補修工事、グラウト注入工事。

神田美土代町ビル

・ガラスユニット構法において、SSG高モジュラスタイプシーリング材を用いた代表的現場。

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