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多角化への道 C 5-6

事業分野拡大への取り組み③

昭和60年代~平成初期⑤

1990(平成2)年、新規開発事業部を東京都中央区箱崎町に設置し、床工事に着手した。
床工事部門の開設は、建物の総合的な分野に事業拡大を目指す多角化経営の一環として行われた。床工事はこれまでにも昭和40年代にP‐タイル、50年代にリムスプレーを扱ってきたが、新規事業として特に床工事に着目した理由には次のような事情があった。

――床工事部門の開設

これまで従事してきた外壁のシーリング工事は風雨に左右される外部作業であるため室内作業の分野を広げていきたい、また作業員の高齢化に伴い室内の安全作業も確保したい、という方向を望んでいたため、床工事はぴったりの分野だと考えられた。また、塗り床工事は材料が主剤・硬化剤の2液混合型であるため、施工方法、管理方法ともマサルの専門分野のシーリングのノウハウをそのまま生かせることも、大きな誘因であった。

そして、インテリジェントビルから集合住宅のフリーアクセスフロアに至る将来的な市場ニーズの拡大を予測し、積極的に取り組みはじめた。

塗り床工事

合成樹脂系仕上げ材による塗り床工事は、①防水性 ②防塵性 ③防滑性 ④耐摩耗性 ⑤耐酸性・耐アルカリ性 ⑥美装性等の優れた機能を有していることから、OAフロア、機械・電気室、駐車場、屋上、厨房・食堂、トイレ、雑排水処理槽など、多分野にわたって普及しはじめていた。特に、インテリジェントビル建設の盛況に伴い、精密なOA機器を水やほこりから守るために、塗り床工事の需要がますます拡大するものと期待された。

1990(平成2)年、三井倶楽部(東京都港区)を皮切りに、塗り床工事部門がスタートした。以来、翌1991(平成3)年にはファナックビル(千葉県千葉市)をはじめ13件、1992(平成4年)に羽田西口ターミナル(東京都大田区)など10件、1993(平成5)年にはワールドビジネスガーデン(千葉県千葉市)など約32件、1994(平成6)年は聖路加国際病院(東京都中央区)、恵比寿ガーデンプレイス(同渋谷区)など19件、というようにこの時期だけをみても目覚ましい実績を示している。

最大規模の工事は1992(平成4)年の羽田西口ターミナル(同大田区)で、工期わずか1年間で約8万㎡を完成させた。

現代の都市の機能は成熟化し、一般企業、銀行、証券会社などのトレーディングルームをはじめ先端産業のオフィスで、OA化が進められていた。これに伴って建築のインテリジェント化が進む中、二重床システムが急速に普及していった。

フリーアクセスフロアとは、オフィスに不可欠なさまざまな電気配線、光ファイバーなどの通信配線、配管などを収納する空間をつくり出すために二重構造にした床システムである。フリーアクセスフロアには多彩な機能があり、さらに大きな需要が見込まれていた。

インテリジェントビル建築では、床を防水した上で二重床にする建築仕様が多くなっていた。これら2つの工事を1業者が一括してシステムとして行うことができれば工程管理上非常に効率的であり、発注者の強く望むところであった。

施工中のフリーアクセスフロア①

施工中のフリーアクセスフロア②

完成したフリーアクセスフロア

1990(平成2)年に塗り床工事部門を開設したマサルは、翌年からインテリジェントビルの床防水工事とフリーアクセスフロア工事の一括施工を開始した。

1991(平成3)年のフヨー本社ビル(東京都墨田区)の工事以来、年ごとに需要が急進し、目覚ましい実績を示した。主な工事は、1992(平成4)年に行った東京都江戸東京博物館(同墨田区)、1993(平成5)年のNTT千代田ビル(同千代田区)、1994(平成6)年の三井海上千葉ニュータウンビル(千業県印旛郡)、1995(平成7)年の日本たばこ産業本社ビル(東京都港区)などが挙げられる。

また、新規事業開発部では1993(平成5)年から内外装材取り付け工事の分野にも進出した。結晶化ガラス化粧材の「セラホーム」や「ネオパリエ」を取り付けて、内外壁を化粧する工事である。新築に限らず、改修工事でも簡単に雰囲気が一新されることから需要が増大した。

この分野に着目した理由は、長年培ってきたシーリング施工技術をそのまま生かせる分野であり、かつ内外装材の取り付け工事という新しい分野に進出することで事業拡大をしたいと考えたからである。

1993(平成5)年、本社ビル改修工事に当たり、正面の外壁を「セラホーム」で化粧し外観を一新させた。

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