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多角化への道 C 5-9

防水技術の進化と新たな領域への挑戦

昭和60年代~平成初期➈

1996(平成8)年1月、従前から携わってきた広範囲にわたる防水分野を一層充実させ、事業拡大を図ることを目的として新規開発事業部を発展的解消し、防水&建材事業部を発足させた。この事業部は、塗り床工事、二重床工事等床関連工事も取り込んでおり、防水分野の営業内容としては以下に紹介する工事を扱い、発展を期して設けられた。

――防水&建材事業部の発足と新工法の確立

アスファルト防水工事は、昭和40年代初頭よりPC住宅の浴室などを手初めに徐々に防水工事にまで拡大してきたが、昭和60年代に入ると更に規模拡大して共同住宅、団地等やビルの新築・改修における防水工事にも本格的に取り組みはじめた。代表的な工事としては1992(平成4)年の霞が関合同庁舎8号館の地下駐車場や住宅・都市整備公団の江北六丁目団地(東京都足立区)、グリーンハイツ藤代(茨城県)などの屋上の改修工事等があるが、この分野の需要はますますの増加が見込まれた。

さらに土木分野にも参入し、橋や道路の防水工事も年々施工数が増えていった。大阪府岸和田市の高架橋防水工事を行ったのをはじめ、浜松市の白須賀高架橋など施工数は年ごとに増加、阪神高速道路の大規模な防水工事にも携わった。

白須賀高架橋工事

白須賀高架橋工事完成

シート防水工事は、主として合成ゴムシート防水、塩化ビニール樹脂シート防水などを施工。新築および改修工事において屋上・室内防水等での販路が拡大した。それぞれの代表例として、竹芝再開発ホテル棟(インターコンチネンタルホテル、東京都港区)の130室の浴室合成ゴムシート防水(1995(平成7)年)、屋敷ハイタウン(千葉市)の屋上改修工事(1994(平成6)年)では、断熱工法による塩化ビニール樹脂シート防水を施工している。

ウレタン塗膜防水はマンションのバルコニーや屋上の改修工事に多用され、需要頻度が高まってきていた。

たとえば、リバーポイントタワー(東京都中央区、約400世帯)のバルコニーにウレタン塗膜防水工事を行った。また、外務省飯倉公館(1993(平成5)年)、東洋大学朝霞校舎(1994(平成6)年)などの屋上防水改修工事の実績もある。また、FRP防水分野でも、衆議院議員宿舎のプール、千葉国際カントリークラブの浴室のリニューアル工事等で実績を上げつつあった。

水和硬化形塗膜防水は消防用の地下水槽や雑排水槽等のほか土木分野でも広く活用され、施工実績を重ねていった。三郷浄水場の防水改修工事では、スーパーブラスト工法で下地処理をした上、本防水を施工したが、この下地処理を含めた工法は高い評価を得た。

衆議院議員宿舎のプール(施工前)

衆議院議員宿舎のプール(施工後)

シート防水と塗膜防水のそれぞれの特徴を生かし、たとえばシートとウレタン塗膜防水、あるいはウレタン塗膜とFRP塗膜防水というように、各種材料を組み合わせた複合防水は高い防水効果を上げることができる。

代表的な工事として、屋上改修工事では1994(平成6)年施工の東洋大学朝霞校舎および1995(平成7)年の外務省飯倉公館、駐車場防水工事では赤羽西口再開発およびJR恵比寿駅ビル等が挙げられる。

建築の施工法においては「速く」「安く」「良く」「安全に」が基本的な課題として追求されてきたが、これに加えて「天候に強い」「工程の安定する施工」が強く要求されるようになり、これに対応する1つの工法として、深層化する建築物では1階の床梁を先行施工し、次いで順次地下に掘削して躯体構築を進めていく「逆打ち工法」が注目され始めた。

マサルではこの工程の中で、最も重要な躯体重量を支える支柱と躯体壁のコンクリート打ち継ぎ部の間隙に注入材(セメント系無収縮グラウト材)を圧入・充填する工法を確立した。1996(平成8)年度時点で、JR東日本本社ビル(東京都渋谷区)、駒込科研製薬跡地再開発整備工事(同文京区)、大崎駅東口再開発工事(同品川区)などにおいて実績を積み重ねていった。

グラウト注入用特殊注入管取り付け①

グラウト注入用特殊注入管取り付け②

地下水の浸出は建築現場でも既存建築物でも多発する厄介な現象である。マサルでは特殊な注入工法を修得し、止水工事分野にも幅広く応えていくよう努力を重ねている。

わが国では、関東大震災、新潟地震をはじめ、しばしば地震による大災害に見舞われてきた。特に1995(平成7)年の阪神・淡路大震災は予想を越えた災害をもたらした。マサルの技術者たちはこの生々しい被災状況を目の当たりにし、数多くの教訓を与えられた。

1981(昭和56)年に改正された新耐震設計によって設計された建物の被害は相対的に少なく、耐震設計の基本的な考え方に間違いはなかったと考えられている。

出来上がった建物のあるべき性能を維持保全する技術を長年にわたり培ってきたマサルでは、社会のニーズに応えるべく、耐震診断・補強分野に参入した。将来的な需要に対応することにより事業分野が拡大強化されるものと、前途が期待された。

鉄筋コンクリート後打ち耐震壁による補強

V形鉄骨プレースによる補強

鉄板による補強

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