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再建への道 C 7-17

本社新社屋の完成

2003年~2020年⑰

現・会長の苅谷純は、2013(平成25)年に国土交通大臣表彰を、2015(平成27)年には黄綬褒章を受章した。そして翌2016(平成28)年、マサルは創業60周年を迎える。

――「会社の象徴」をつくるプロジェクト

マサルにとっての慶事はさらに続いた。2018(平成30)年、東京都江東区佐賀に本社新社屋が完成したのである。

それまで社内では、老朽化が進み耐震基準を満たさない既存本社をどうするかが、長年の重要課題となっていた。阪神・淡路大震災、東日本大震災を経験した日本社会では、建物の耐震化と、実効性のある事業継続計画(BCP)が強く求められるようになっていた。ましてマサルは、建物を守ることを生業とする会社である。本社の移転・建替え計画は何度も俎上に載ったが、景気変動、財務課題、市場環境といった事情が重なり、そのたびに見送られてきた。

しかし、この時は違った。長年積み重ねてきた経営改善が、ようやく「未来への投資」を可能にしたのである。

2016年以降、マサルは近隣の2か所の土地建物を取得。新本社は移転ではなく、周辺敷地を含めた建て替えによって実現する方針が固まり、計画は一気に具体化していった。

それは単なるオフィスの更新ではなかった。次の時代へ向けた「会社の象徴」をつくるプロジェクトでもあった。設計段階では全社員から意見を募り、耐震性はもちろん、社員にとって快適で働きやすく、効率の良い空間づくりを目指した。

そして2018年9月、総工費6億5000万円、S造(鉄骨造)地上6階建て、高さ23.5 m、延べ床面積1815.81㎡の新社屋が竣工する。苦しい時代があったからこそ、「新しい社屋を持てる会社になった」という事実そのものに、大きな意味があった。

新社屋外観

新社屋完成祝賀会

この新社屋完成を記念して開催されたのが、「シーリングアワード2018」である。マサルグループおよび協力会社の技能者が、シーリング施工技術No.1を競う大会だ。新社屋2階大会議室総勢28名の技能者が参加し、同年9月14日に予選、9月23日に決勝が行われた。日頃培ってきた施工精度、仕上がりの美しさ、作業スピード、安全性――シーリングの技能を競い合う場として、大会は大いに盛り上がった。

シーリングアワード①

シーリングアワード②

大切だったのは、これを「技能を称える場」として開催することだった。建設業界では、とかく営業や経営が注目されやすい。しかし、実際に品質をつくっているのは現場の技能者たちである。その技術力そのものにスポットライトを当て、敬意を払う場でなければならなかった。

大会では、各社の職人が持てる技術を存分に披露した。緊張感の漂うなか、細部の仕上げ精度が競われる。そして栄えある初代優勝者となったのが、有限会社長根工業の中澤孝博である。優勝が決まった瞬間、会場からは大きな拍手が沸き起こった。新社屋完成祝賀会の席上で、表彰式が執り行われた。

この頃のマサルには、長い停滞期を抜け出した会社特有の「前へ進む空気」が生まれていた。もちろん、建設業界を取り巻く環境は予断を許さない。それでも、会社の中には確かな変化があった。「守る」だけでなく、「未来をつくる」段階へと入っていたのである。

新社屋は、単なる建物ではない。苦しい時代を乗り越えてきた会社の、〝次の時代への意思表示〟だった。

この時期のトピックスとして、中国事業への進出が挙げられる。マサルは2018年10 月、原料メーカーであるカネカの上海事務所に社員1名を出向させ、中国での事業展開に乗り出した。きっかけは、2009(平成21)年に開催された第1回「日中韓防水シンポジウム」である。この場で中国防水協会との縁が生まれ、それが10年近い時を経て結実した。

その後、2017(平成29)年・62期の中国人実習生4名の受け入れにつながった。2026(令和8)年・67期には、中国企業に向けてコンサル事業を展開し始めた。

中国企業への出向も行われた

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